K-GO “Time to Tell” インタビュー 1

ケイゴさんの口から、2ndアルバムの製作に取り掛かります、と聞いたのが2013年の春のこと。それから約2年半の時を経て届けられた「Time To Tell」は、待っただけの甲斐がある素晴らしい内容に仕上がっていた。清水ひろたか、EL-MALOの柚木隆一郎と強力なミュージシャンを迎え、1stアルバム「Don’t Know Where」で見せた3ピースのロック・バンドという枠を超越したサウンドを持った「Time To Tell」は、実験的でありながら同時にコマーシャリズムも備えた、スケールが大きくなったHoneydewの姿を伝えてくれる。日本人にしか作り得ない、オルタナティブ・ロックの完成形と言えるかもしれない。アルバムのリリースツアーを終えたばかりの、バンドのフロントマン・ケイゴさんにインタビューした。今回はケイゴさんによる「Time To Tell」各収録曲のコメントをフィーチュア。是非アルバムを聴きながら読んで頂きたい!

(Text by Kyota Suzuki/ Photo by Makino Tomoaki)


──アルバムのツアーお疲れ様でした!プロモーションもありかなりハード・スケジュールだったと思いますが、ツアーを終えた感想は如何ですか?

今回初の自主レーベル設立&リリースだったのでリリース3ヶ月前からバタバタしてハードでした。リリースツアーを終えてまず一息つけた感じです。久しぶりに立て続けにライブをやって楽しかったです!

──日本各地、どのライヴも評判が良かったですね。特に印象に残ったライヴ、また今回のツアーで印象深い出来事はありましたか?

どのライヴも、全て違った意味で良い印象が残ってるけど特に岡山ですね。
アルバムジャケットを手掛けてくれたNixonさんのMicroGiant、岡山にHoneydewの名前を広げてくれたヒロユキさんのstrike three!との共演。そしてリリース祝いのケーキが登場したり至れり尽くせりでした!もちろん大阪、京都、名古屋でイベントを主催してくれた「青く」、LADY FLASH、me in grasshopperを初め出演者全員に感謝してますし、みんなカッコいいバンドで楽しかった。

──私は、京都nanoの公演を見せて頂いたのですが、ケイゴさんのギターは演奏も音も更に進化していると感じました。ご自身で、プレイヤーとして昔とここが変わった、良くなったと感じる部分はありますか?

自分自身は特に変化している気は全くないんだけど、そう言われると多少は成長したのかなあ。音的には年々趣味も変わるのでエフェクターが変わったとかはありますけど。2日目の京都nanoでは知り合いを通して製作してもらったオーバードライブ、Shimmyさんにリリース祝いに頂いたブースター/フィードバッカーというのを初めて使いました。この2つのエフェクターのコンビネーションは良かったです。ブースター/フィードバッカーは、オンにすると音が太くなって、踏みっぱなしにするとフィードバックを作ってくれるので2度美味しいんですよ。ツアーでは、気分次第で曲の終わりとかにフィードバックさせたりして使いました。

──昔のHoneydewのライヴは、ケイゴさんのテンションの高いギターがベースとドラムスをリードしていくような場面が多かったように思いますが、ライヴの経験を重ねて3人の力量、演奏の安定感が増したのでケイゴさんが以前より余裕をもって、フレキシブルにギターの音の調整をできるようになったところがあるのではないですか?

はい。今は完全に淳子と安蒜くんの上に乗っかってギターを弾いてる感じです。僕がリードする所はアドリブソロの尺がライブによって多少違うのでソロ終わるよって合図を送るとか、ギターで始まる曲は僕のテンポで始まるのでその辺でしょうか。あと僕がミスしてもバックがそれについて来てくれるのでその辺は安心して演奏できてます。

──ケイゴさんのギター・ソロがメロディアスで大好きなのですが、ライヴでのソロは事前にある程度フレーズを決めておくのでしょうか?それとも全て即興?

ありがとうございます。アルバムの音源通りのソロを弾く曲もあれば、全く即興の曲、その一瞬の気分でアドリブにしたりです。全く即興のところはフレーズを決めてません。でも手癖とかで自然に出て来るフレーズとかありますね。

──当初、ミニアルバムを作成予定だったのが、清水ひろたかさんの助言でフル・アルバムを作ることにした、とケイゴさんから聞いたのが2013年の春でした。あれから約2年半かけての「Time To Tell」のリリース。アルバム作成期間としてはかなり長くなりましたが、その間特に苦労したことは何ですか?

まず、ミニアルバムであれば曲数が少ない分もっと早く出せたと思うんだけど、Shimmy(清水)さんのアドバイスは大きかったと思います。実際に取りかかってから制作に費やした時間は1年10ヶ月。リリース3ヶ月前にはマスターは仕上がってたけど、通常リリース準備に3ヶ月かかりますからね。苦労した点っていうのはレコーディングよりも仕上がった後のリリース準備期間とプロモーションですね。走り回って忙しかったので。

──私は2012年1月に高円寺HIGHのライヴでHoneydewと清水さんの共演を見たのですが、”My Honeydew”でギター・ソロを弾く清水さんを見て清水さんのギターがHoneydewの曲に実に良くマッチしているのに驚きました。ケイゴさんは、最初から清水さんをプロデューサーに迎えたら良いアルバムができると確信がありました?

Shimmyさんのギターの腕は天才の域に入ってます。どんなジャンルであろうと曲の中に溶け込んで、それでいてShimmyさんの個性を出せる超一流ミュージシャンです。いわゆるミュージシャンズ・ミュージシャン。

しかもプロデューサーとしてもCharaさんのプロデュース経験もある本物のプロデューサーです。間違いなく良い作品に仕上げてくれると信じてました。もちろんやってみなきゃ分らないという不安も少しはあったけど、最初に仕上がった”All the Stars”を聴いた瞬間にとんでもない作品になるって凄く嬉しくなったのを覚えてます。

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